睡眠不足も要因?肩こりや腰のこりはなぜ起きるの?
肩こり、腰のこりの多くは、筋肉への過剰な負担による
- 血行不良
- 筋肉疲労
が原因だと言われています。
筋肉への過剰な負担とは、特別過酷な労働をしたとか、過激なスポーツをしたとかということではなく、日常の中にあります。
睡眠不足も肩こりや腰のこりを招くひとつの要因になりますが、その前に、肩や腰にどうして負担がかかるのかをみていきましょう。
筋肉への負担
人の背骨は地面に対して垂直であるため、頭と両腕の重さを肩で支えていることになります。
頭は約6キログラムから7キログラム。
片腕は約3キログラムから4キログラム。
合計約15キログラムもの重さが肩にかかっています。
頭と腕を支えている僧帽筋や菱形筋、肩甲挙筋などの筋肉に負担がかかります。
筋肉メモ
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- 僧帽筋
肩や腕の動きに関わっている筋肉。背中の表面を覆っている。
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- 菱形筋
肩を内側に引きつける筋肉。背骨から肩甲骨にかけて斜めに存在している。
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- 肩甲挙筋
肩を挙げる動きに関わっている筋肉。肩から肩甲骨にかけて存在している。
背骨のS字カーブの崩れ
上半身の重みは、腰に支えられています。
背骨がS字カーブを描いているのはそのためで、上半身の重みを前後に分散させています。
前と後ろの筋肉をバランス良く引っ張り合って、特定の部位だけに特別な負担がかからないようになっています。
ところが、S字カーブが崩れると、特定の筋肉部分に負担がかかって痛みが生じます。
椎間板にも負担がかかると、椎間板にかかる圧力が均一でなくなり、クッションの役割を果たさなくなって痛みを感じるようになります。
S字カーブが崩れる姿勢
- 猫背
- 反り腰
例えば、前かがみなどの姿勢では、S字カーブが崩れて背中側の筋肉が引っ張られてしまいます。
睡眠不足が肩こり腰こりの要因になる
肩こりや腰のこりを起こす主な要因としては、長時間の悪い姿勢があげられます。
長時間のデスクワーク、悪い姿勢のまま続けるパソコン作業、長時間の自動車を運転し続けることなどがその一例です。
その他にも、睡眠不足が肩こりや腰のこりの要因となり得ます。
睡眠不足によって、自律神経のバランスが崩れて筋肉が緊張すると、血液循環まで悪化してしまう恐れがあります。
血行不良から筋肉疲労を起こしてしまうのです。
筋肉疲労の仕組み
筋肉が緊張⇒筋肉が血管を圧迫⇒血流が滞る⇒酸素不足になる⇒血管内に疲労物質が蓄積⇒神経を刺激⇒脳に痛みが伝わる
筋肉疲労が肩や腰に生じたものが、肩こり・腰のこり(腰痛)です
ストレスによる睡眠不足と肩こり
睡眠不足はストレスと密接な関係があります。
昼間の活動期に受けるストレスが強いと、緊張が続いて眠れないことがあります。
ストレスが原因で精神的に緊張していると、なかなか眠りにつくことができず、ストレスで眠れないまま朝を迎えることも少なくありません。
本来、睡眠時には副交感神経が優位となって、血管は拡張し、血流がよくなります。
ところが、寝る時間になってもストレスを引きずっていると、なかなか寝つけず、交感神経から副交感神経への移行がうまく進まず、交感神経が優位な状態が続きます、
交感神経が優位だと、筋肉は緊張したままです。
血管は収縮し、血流も悪くなるので、血管内の疲労物質が蓄積し、肩こり、腰のこりが生じてしまいます。
睡眠不足を引き起こすストレスも、また、肩こりや腰のこりの要因ということができるのです。
寝具が肩こりや腰のこりの原因になることも
寝ているときの姿勢の悪さが、肩こりや腰のこりの原因になることがあります。
寝ているときの姿勢の悪さは、体に合わない寝具を使っていることが影響しているかも知れません。
- 枕が高すぎる
- 敷き布団・マットレスが柔らかすぎる
このような体に合わない寝具は、寝姿勢に悪い影響を与えます。
寝姿勢が悪くなると、首が曲がったり、背中や腰が沈み込んだりして、背骨のS字カーブが崩れ、肩や腰に負担をかけてしまいます。
寝具を取り替えてみるだけで、肩や腰のこりが改善されることもあります。
自分の体に合った寝具選びはとても大切なのです。