寝る前のお酒は睡眠に効果があるの?
お酒を飲むと、血行が良くなり、リラックスする作用も働いて、寝つきをよくする効果があります。
アルコールによって、寝つくまでの時間が短縮されるので、寝る前のお酒を習慣にしている方も少なくないようです。
効果は長続きしない
しかし、寝る前にお酒を飲むことで寝つきがよくなっても、その効果は長続きしません。
酔いが覚めると、睡眠が浅くなって、睡眠の途中で目が覚めてしまいます。
途中で目が覚めたあとは、今度はなかなか眠ることができなくなったりもします。
結果的に、睡眠不足のような状態となり、
- 起床時に眠気が残ったり
- 体の疲れが取れずにだるさが残ったり
して、目覚め感は悪くなってしまうのです。
寝る前のお酒は、寝つきは良くても、快眠できたという満足感を得ることは難しいと言ってよいでしょう。
寝る前のお酒が睡眠の質を下げる理由
寝る前のお酒が睡眠の質を下げるのには、いくつかの理由があります。
脱水症状
アルコールを飲むと脱水症状になりやすいことが分かっています。
アルコールを飲むと体温が上がるので、発汗作用が働き、汗となって、水分が体の外に排出されます。
また、利尿作用もあるので、体の水分が尿になって排出されます。
トイレに行く回数が増えるので、睡眠の途中で目が覚める回数も増えてしまいます。
発汗による不快感、トイレに行く回数の増加等から、睡眠の途中で目が覚めてしまい、熟睡感が得られにくくなると考えられます。
筋弛緩作用
お酒を飲むと筋力が落ちて、のどの奥がむくんでしまうそう。
のどの奥がむくむことで、いびきや無呼吸になりやすいので、注意が必要です。
アルコールの代謝が睡眠中も続く
寝る前に体内に入ったお酒は、睡眠中にもアルコールの分解代謝が続いています。
睡眠中は、体を休める時間帯であるはずなのに、眠っている間も代謝が続けられるので、睡眠が妨げられることになります。
眠りが浅くなったり、早期に目覚めてしまったりといったことが起こり、睡眠の満足感が得られにくい可能性があります。
寝る前のお酒は依存症のリスクもある
寝る前にお酒を飲むことが習慣化してしまうと、お酒による寝つきの効果は、段々と弱くなっていきます。
お酒による寝つきの効果が弱まってくると、より沢山のお酒を必要とするようになって、結果的に、寝る前の酒量が増加してしまう恐れがあります。
これまでと同じような効果を求めて飲酒する量が増えるため、依存症になるリスクも高まるので注意が必要です。
寝る前のお酒は睡眠の質を下げます。
寝る前の飲酒は、寝付きを良くはしても、睡眠全体としては、睡眠の質を落とすものと言わざるを得ません。
お酒に頼って眠ろうとしない方が良いでしょう。