タバコが睡眠を浅くする!就寝前の一本に注意
タバコには睡眠を浅くする作用があります。
カフェインを含み覚醒作用のあるコーヒーや紅茶と同じく、タバコにも覚醒作用があるためです。
タバコの覚醒作用は数時間持続するので、就寝前のタバコは睡眠を浅くしてしまう可能性があります。
睡眠の質のことを考えるなら、寝る前のコーヒーや寝る前の一本のタバコには注意が必要です。
タバコが睡眠を浅くするのはニコチンのせい?
タバコに含まれるニコチンは、血管の収縮や、心拍数の増加を引き起こします。
そのほか、胃の収縮力を低下させたり、脳の中枢神経へ作用して、ニコチン依存症を招くことでも知られています。
ニコチンは、肺から取り込まれると血液中に入り、すぐに脳内に達します。
その後、脳内で受容体に結合することで、神経伝達物質(ドーパミンやセロトニンなど)を分泌させます。
その内の一つがアドレナリンです。
ニコチンによってアドレナリンの分泌が促進されると、交感神経が優位となます。
交感神経が優位となると、
- 血圧の上昇
- 体温の上昇
- 気分の緊張
- 興奮状態
- 覚醒作用
などの状態となり、睡眠しにくくなってしまいます。
タバコによる覚醒作用は数時間も持続するといわれているため、少なくとも就寝前の1時間前には、タバコは止めておいた方が良いとされています。
タバコに含まれるその他の有害物質
そもそも、タバコには、4000種類以上もの化学物質が含まれており、その内の200種類以上が有害物資です。
この有害物質の中でも、3大有害物質と言われるのが、
- ニコチン
- タール
- 一酸化炭素
です。
タールは、数多くの発がん性物質を含んでいます。
そのため、呼吸器系疾患やがんと関係が深いと考えられています。
また、一酸化炭素は、赤血球と結合して体内に酸素を運ぶ役割をもつヘモグロビンの働きを低下させるため、体内を酸欠状態にしてしまいます。
血管の内壁を傷つけたり、動脈硬化を促すことでも知られています。
睡眠を浅くするタバコの煙は周りの人にも影響
睡眠を浅くするニコチンをはじめとして、タバコに含まれる有害物質は、喫煙者本人が吸い込む主流煙だけに含まれるのではありません。
喫煙者の周りにいる人たちが吸い込んでしまう副流煙にも含まれています。
それどころか、副流煙に含まれる有害物質の方が、主流煙で体に取り込まれるよりも多くの有害物質を含んでいるのです。
主流煙がタバコのフィルター越しに体の中へ取り込まれるのに対して、副流煙はフィルターを通さずに、人の体の中に入ってくるからです。
厚生労働省のホームページでは、副流煙に含まれる有害物質は、主流煙と比較すると、
- ニコチンは2.8倍
- タールは3.4倍
- 一酸化炭素は4.7倍
となり、主流煙の数倍も含まれていると報告されています。